深沢医院

院長 深沢 琢也先生

小児科
在宅
循環器科
内科

70年以上地域に根ざすクリニックを承継。電子カルテやオンライン診療導入で、利便性の高い医療を実現

外来患者数/日 約100人

スタッフ数 12人

導入製品

  • 電子カルテ:PHC「Medicom」
  • Web予約システム:EPARK「EPARK」
  • PACS:富士フイルムメディカル「C@RNACORE」
  • 自動精算機:島津製作所「Mer’C」
  • オンライン診療システム:メドレー「CLINICS」

課題

  • 承継時点では紙カルテだったため、解読が困難なカルテもあった。だが当時のスタッフは、紙に慣れきっているため電子化には反対だった
  • 当時の患者数は現在の半分以下で、診療スピードを高めて収入を上げつつ、患者満足度を高める必要があった

効果

  • 患者さんの待ち時間の短縮化
  • 画像診断や予約システムとのスムーズな連携で人為的なミスのリスクを削減
  • オンライン診療を早期から適用し患者さんからの信頼獲得に貢献

医師になったときから承継を決めていたのですか。

深沢先生:祖父の代から続く医院で、私が生まれる前から地元・津田沼の患者さんに頼られてきた医院です。医師になりたいと決心すると同時に「受け継いでいくのが自分の使命だろう」という思いはありました。

深沢院長が承継されたのは2014年。それまでは紙のカルテを使っていたそうですね。

深沢先生:そうですね。私が医師になったのが2002年で、勤めていた大学病院もまだ紙カルテから電子カルテに置き換わろうという時代でした。実際に電子カルテに不慣れなときは「面倒」「不便」という思いもあったものの、やはり患者さんの情報共有が大切な時代です。電子カルテは不可欠だろうと、考えました。

紙だったものを置き換えるときはそれなりに苦労します。また紙に慣れたスタッフからは「かえって診療に時間がかかる」と難色を示されました。しかし、導入後はレセプトの管理の効率も劇的に上がったので、改革してよかったとすぐに実感できました。

電子カルテを選ぶ過程でどのようなことを考えたのでしょうか。

深沢先生:PHC「Medicom」のインターフェースが使いやすそうだったからです。ショートカットキーを設定して、自分の好みの配置にカスタマイズできるのも気に入りました。それに何かトラブルがあった際の、サポートも一番しっかりしてそうだったので「Medicom」を選びました。

導入後に分かったことですが、他の製品との連携がスムーズなのは便利です。有力な電子カルテなのでPACSや予約システムなど、他社のシステムを新たに導入する際の親和性が高いのです。クリニックでは、患者さんのニーズの変化などで新たなシステムを追加していく場面がありますが、いままで当院で導入したシステムで電子カルテと連携できなかったケースはありません。やはり電子カルテは、基幹システムであり医療の中心だと実感します。

深沢医院は訪問診療にも力を入れていますね。電子カルテは訪問時も問題ないでしょうか。

深沢先生:訪問先から院内のサーバーにアクセスできるので、リアルタイムで電子カルテを閲覧、編集できます。電波状況さえ悪くなければ、クラウド型と同じように使えるので「いいところ取り」している感覚に近いかもしれません。もちろん紙でメモしておいて、医院に帰ってからでも作業はできますが、より効率的ですね。

また新しい薬が出たときの対応も早いので助かっています。結果的に、患者さんをお待たせする時間が短くなりましたし、ミスのリスクも減らせていると思います。

効果の見込めるITシステムの導入には積極的に取り組んできた実感はありますか。

深沢先生:ITも大切なのですが、この10年間とくに意識したのはスタッフの勤務環境の設備や採用には投資を惜しまないことです。院長ひとりではクリニックの運営なんてできませんからね。たとえばスタッフ数についても、ギリギリ、カツカツではなく少し余裕があるくらいの陣容を組んできました。休暇も取りやすく、働きやすい環境作りですね。

じつは、患者さんや、出入りするメーカーさんから「医院のスタッフ間がフラットな雰囲気で感じがよい」と言っていただきます。意識的に取り組んできた点を評価いただけることをうれしく思いますが、こうした土壌のうえにICTの便利さが加わると、スタッフもいっそう輝けるのではないかと思います。承継時から現在も活躍し続けているスタッフがいることからも、ICTのおかげもあって働きやすい環境は作れているのかなと手応えは感じています。

深沢先生はオンライン診療にはコロナ禍になる前から取り組まれていました。なかには診療報酬の点数が少ないので導入に消極的な先生もいらっしゃると聞きます。深沢先生の狙いはどのようなことだったのでしょうか。

深沢先生:患者さんに選択肢を差し上げたいという想いでやってきました。

オンライン診療のシステムを導入するのは簡単です。また当院では、診察の合間時間をうまく活用しています。診療が長引いて、約束の時間から多少お待たせしてしまうケースもありますが、事前にちゃんと「10~15分程度は遅れる可能性があります」と説明を入れておけば、リモートなら待ち時間も自分の時間として使えますよね。そのため、患者さんは苛立つこともなく「先生、オンライで診てくれて助かりました!」と感謝されるほうが多いです。みなさん、忙しいわけですからお互いにとってよいシステムだと思います。

もちろん対面で診察したほうがよい方には来院をおすすめしますし、オンライン診療を望まない方もいますので、使い分けが重要です。当院が注力してきた発熱外来や、睡眠時無呼吸症の診察でもオンラインは相性がいいですね。特に発熱患者さんを診察するために隔離された診察スペースを用意するのは多くのクリニックに負担だったはず。また患者さんの体調が悪く来院しづらいときや、睡眠時無呼吸症の経過観察のようにわざわざ来院しなくてもよいとき、オンラインの手軽さはありがたいですね。

目先の採算だけを考えるのではなく、どうすれば患者さんにより頼っていただけるかを考えた結果だと思います。しかも結果的に新型コロナの流行が重なりました。早くからオンライン診療の操作にも慣れて、ノウハウを得ていた当院はスムーズに取り組めましたし、また、「深沢先生のところは前からオンラインやっていたから安心だね」と患者さんから言っていただけました。

さらにオンライン診療の需要は伸びるとお考えでしょうか。

深沢先生:まちがいなく伸びるでしょう。現在使用しているメドレー「CLINICS」は、スマホ1台あればどこでも受診できるのは患者さんにとって大きなメリットだと思います。ただしクレジットカード情報を入れなければならない、やはり対面が安心だから来院したいという患者さんもいらっしゃいます。そうしたニーズにももちろんお応えします。

オンライン診療以外の対応も充実させていく考えですね。

深沢先生:当然ですね。来院する患者さんやスタッフが現金に触れる回数を減らすことも重要だろうと、診療費支払機「Mer’C」に電子マネーやクレジットカードの決済機能もまもなく追加する予定です。

当院では、あらゆる疾患を診られるわけではありません。ただ、まず気になることがあったときに相談してもらえる存在であり続けたいと思います。そうした点からも、今後も常に患者さんに身近で、助けになる医療を心がけていきたいです。

クリニック名 医療法人社団優樹会 深沢医院
院長 深沢 琢也 先生
所在地 千葉県船橋市前原西2-8-3
医院紹介 深沢院長の祖父が1947年にこの地に開設したという伝統ある医院。2012年に、深沢院長は3代目院長に就任し、地域の幅広い医療ニーズに対応するため、いち早くオンライン診療にも取り組んできました。今後も頼られるかかりつけ医として、患者さん目線の医療を提供していきます。
作成日 2022年7月