予約システムの端末同居とは?同居させるメリット・注意点とおすすめの構図

電子カルテをはじめ、予約システムや自動精算機など医療現場におけるIT化が進み、院内に設置されるシステムも多くなりました。システム機器が増えたことにより、スムーズな診療の実現や配置場所確保のため「端末同居」の注目が高まっています。とはいえ、端末同居が実際どのようなものなのかわからず、「電子カルテ連携と何が違うの?」と疑問に感じている医師やクリニックも多いのではないでしょうか。本記事では予約システムにおける端末同居の詳細やメリット・デメリットについて解説します。予約システムの端末同居を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

予約システムにおける端末同居

まず初めに「端末同居とは何なのか」を以下の項目に分けて解説します。

それぞれ順番に見ていきましょう。

端末同居とは?

「端末同居」とは、複数のシステムを1台のパソコン端末に集約して使用することです。

端末同居の例として、電子カルテ端末に医事システムや予約システムなどを同居させている医療機関が多く見られます。

 

予約システムの端末同居と電子カルテ連携の違い

端末同居と電子カルテ連携は混同しがちですが、まったくの別物です。予約システムにおける端末同居と電子カルテ連携はそれぞれ以下の役割があります。

予約システムと電子カルテを連携させると、電子カルテに登録された患者情報を予約システムで利用できるため、予約システム側で患者登録が不要などのメリットがあります。

一方、端末同居とは1台のパソコン端末に複数のシステムを集約して使用することです。予約システムと電子カルテを連携したからといって1台の端末で双方のシステムを使用できるとは限りません。反対に、メーカーによっては電子カルテと連携せずとも1台の端末で複数システムを使用可能な場合もあります。

つまり、電子カルテ連携と端末同居は根本的に異なるものであり、「電子カルテ連携=端末同居」ではないのです。

予約システムの電子カルテ連携については下記記事にて詳細を解説しておりますので、こちらをご覧ください。

Web予約システムと電子カルテを連携すると何が良いの?連携パターン徹底解説|https://www.mekiki-inosuke.com/topics/article/20230927/

予約システムを端末同居させるメリット・デメリット

前章では端末同居の仕組みについてお話ししました。ここからは予約システムを端末同居させる具体的なメリット・デメリットについて解説します。

予約システムを端末同居するメリット

予約システムを端末同居するメリットは以下の3点です。

端末の設置台数が少ないと、経費削減やスペースを広げられる点はメリットです。近年は医療のIT化が急速に進み、多数のシステムが台頭しています。それに伴い、セルフレジや保険確認のためのマイナンバーカードリーダーなど設置しなければならない機器も増加し、昔のクリニック設計だと院内に置ききらないなどの事態も。その際はシステムを同居させ、パソコン端末の設置を最低限にすることでスペースの確保が可能です。

また、診察室の予約システムは端末同居させるのがおすすめです。診察室では、電子カルテの他に画像診断や検査結果を表示させるモニターが別途ある場合が多く、そこに予約システムも設置してしまうとデスクに3台のモニターが並ぶことになります。カルテの記載や予約取得など作業によって端末を使い分けるのは不便です。予約システムを電子カルテ端末に同居させることで、操作がスムーズになるでしょう。

予約システムを端末同居するデメリット

予約システムを端末同居させると以下のようなデメリットがあります。

1台の端末内に複数のシステムが入っているとパソコンに負荷がかかり、動作が遅くなったり強制終了が起こったりと不具合が生じることがあります。稀に起こる現象であれば気にならないかもしれませんが、頻発するとストレスを感じるでしょう。

また、受付のパソコン端末を同居させた1台のみしてしまうと、以下のような問題が発生します。

受付は異なる複数の業務が同時発生する場所です。システムを集約させた1台の端末のみの設置となるとパソコンの順番待ちが発生し、同時に作業ができません。並行して作業ができないと業務が滞るだけなく、患者さんの待ち時間も長くなるため非効率的です。

端末同居はメリットだけでなくデメリットもあることを知っておかなければなりません。

 

予約システムを端末同居をする注意点

予約システムを端末同居させる場合は以下の点について注意しなければなりません。

「電子カルテ連携=端末同居」と考えがちですが、それは誤りです。電子カルテ連携と端末同居は別物であり、予約システムと電子カルテを連携しても端末同居が可能かどうかはメーカーによって異なります。「端末同居をしたくて電子カルテと予約システムを連携させたのに、結果的にできなかった」という事態を避けるために、事前の確認が大切です。

また、物理的に端末同居させることは可能であっても、「トラブル時に保守ができない」といったケースもあります。トラブル解消までに時間を要すと診療を一時的にストップせざるを得ない場合もあるため、リスクを承知しておかなければなりません。

端末同居を希望する際は、条件をよく確認し納得したうえで同居させることが重要です。

端末同居って結局必要?おすすめの予約システム構図

これまでの解説を読んで「端末同居って結局必要なの?」と思われた方も多いでしょう。結論から申し上げると、使用する場所によって端末同居の必要性は異なります。一般的なクリニックの場合、以下の予約システムの構図がおすすめです。

受付の場合は、全てのパソコン端末を同居させるのは望ましくありません。なぜなら、予約確認・変更に加えて受付業務や会計業務が常に並行するため、同居させることによって業務が滞る可能性があるからです。

待ち時間削減や業務効率化のために複数人の事務員がいても、1台の端末にシステムが集約され、1人しか作業ができないのでは意味がありません。また、事務員は予約システムの使用頻度が高いため、同居した端末に加えて予約システム専用端末を1台設けると良いでしょう。

一方で診察室の場合は受付と異なり、複数の業務を並行して行うことは少ないため、電子カルテ端末に予約システムを同居させるのがおすすめです。また、前述のとおりスペース確保のためにも電子カルテ端末に同居させると良いでしょう。

端末同居を希望する場合は、使用する場所と状況に応じて最適な構図の考慮が必要です。

予約システムの端末同居を検討する場合は専門家に相談を

本記事では以下の内容について解説してきました。

使用する場所によっては端末同居することで円滑な作業が可能となり、大変便利なものです。一方、複数人で業務を並行する場合は同居した1台の端末のみでは業務が滞ってしまいます。また、メーカーによっては電子カルテと予約システムを連携させても端末同居はできない場合もあるので、事前の確認が重要です。

とはいえ、診療と並行して端末同居に関する情報を集めるのは骨の折れる作業でしょう。そんなときは、専門家に相談するのもひとつの手段です。

目利き医ノ助はITシステムの導入と運用のプロ集団です。クリニックの状況に応じて最適な端末同居のパターンを考慮し、選定のお手伝いをします。予約システムの端末同居を検討しているクリニックは、ぜひお気軽にご相談ください。

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