デジタルサイネージって何?院内掲示改革でクリニックが得られるメリット

近年、看板やポスターといった情報発信の媒体は、紙からデジタルへと転換しています。クリニックにおいてもその傾向は例外ではなく、院内にデジタルサイネージを導入する施設も多くなりました。とはいえ、「クリニックの掲示物をデジタル化すると、どのような効果が得られるの?」「デジタルサイネージの導入にデメリットはないの?」とお悩みを抱えている医師も多いのではないでしょうか。

本記事では、デジタルサイネージの詳細やメリット・デメリットについて解説します。デジタルサイネージの導入を検討している方はぜひ最後までご覧ください。

デジタルサイネージって何?

デジタルサイネージは今やクリニックに限らず駅や商業施設、サロンといった世界中のあらゆる場所で利用されています。

本章では「デジタルサイネージとはどのようなものなのか」詳細を見ていきましょう。

デジタルサイネージの詳細と現状

デジタルサイネージとは、いわゆる「電子掲示板」です。「サイネージ(signage)」を直訳すると「看板・標識」であり、情報伝達を目的とした視覚的な表示物を意味します。デジタルサイネージはその電子版です。

以前は「掲示板」といえば紙媒体によるものが一般的でした。しかし、インフラコストの低下やマーケティング環境の変化といった背景によって、デジタルサイネージの普及が加速しているのです。

株式会社富士キメラ総研の調査(※)によると、デジタルサイネージの2022年の国内市場は1,992億円にのぼっています。加えて、2027年の国内市場予測は3,294億円となっており、今後もデジタルサイネージは急速に拡大すると予想されています。

株式会社富士キメラ総研|デジタルサイネージ市場総調査2023

クリニックで活用できるデジタルサイネージの種類

「デジタルサイネージ」といっても多数の種類がありますが、クリニックで活用可能なものは次のような種類があります。

モニター型や看板型は、USBやSDカードといった記憶媒体に制作したコンテンツのデータを入れて、発信するタイプです。特に看板型は屋外にも設置可能なため、既存患者のみならず通院したことのない人へも情報を届けられます。

一方で、近年はスマートフォンと連携する「スマホ連携サイネージ」もあります。連携することによって、コンテンツの切り替えといった操作がスマートフォンにて可能です。加えて簡単に最新情報を更新できるので、利便性の高さが注目されています。

院内からテレビ放送が減ってデジタルサイネージが増加した背景

院内からテレビ放送が減った理由は、ずばりスマートフォンの普及です。患者さんはスマートフォンを用いて動画視聴やSNS、ゲームといったように、それぞれが興味のあることをして待ち時間を過ごすようになりました。

以前はクリニックといえば大画面のテレビが設置されており、ニュースや教育テレビが放送されていた景色をよく目にしたものです。しかし、必ずしも待合室にいる患者さん全員が放送されている番組に興味があるわけではありません。

クリニック独自の情報や、健康情報をはじめとしたテレビ以外のコンテンツを配信するなど、時代の変化に合わせた新たな待ち時間対策を考える必要があります。これらの理由から、クリニックにおけるデジタルサイネージの利用が普及しているのです。

デジタルサイネージをクリニックで導入するメリット

クリニックでデジタルサイネージを導入すると、次のようなメリットがあります。

それぞれ詳細を見ていきましょう。

 

メリット1. 患者さんへの院内情報の共有

デジタルサイネージを設置することで、クリニックの情報を効率的に患者さんへ共有できます。その理由は、患者さんが診察や会計を待っている時間を活用して情報を届けられるためです。

具体的には次のような内容を発信できます。

デジタルサイネージは視認性が高いため、紙の掲示物よりも目に入りやすい利点も。クレームになりがちな待ち時間で、患者さんにクリニックの理解を深めてもらえるのは大きなメリットといえるでしょう。

メリット2. コスト・手間の削減

デジタルサイネージはコスト削減にも繋がります。

紙媒体で作成すると印刷費用は避けられず、誤情報や追加情報が発生するたびに印刷し直す必要がありました。また、紙媒体は人手によって壁等に貼らなければならず、高いところなど場所によっては貼り換えのたびに一苦労です。

デジタルサイネージであれば、データの修正を行うだけで手軽に情報の更新ができ、物理的に掲示する作業もないので、コストおよびスタッフの労力を軽減できるでしょう。

メリット3. クリニックのイメージアップ・集患効果に繋がる

デジタルサイネージは、クリニックのイメージアップや集患効果も期待できます。なぜなら、患者さんはクリニックが行っている治療の詳細や、医師の発信を見ることによって安心感に繋がるからです。

加えて、待ち時間対策は悩みのタネになりがちですが、クリニックでしか見られない情報を得られれば、患者さんの満足度も向上するでしょう。

また、院内だけでなく入り口付近といった屋外に看板型のサイネージを設置すると、既存患者だけでなく、通院したことのない人にもクリニックの存在を知ってもらえます。

デジタルサイネージは情報を届けるだけでなく、クリニックのイメージアップや集患効果にも一役買ってくれるのです。

クリニックでデジタルサイネージを導入するデメリット

前章ではクリニックにデジタルサイネージを設置するメリットを紹介しましたが、次のようなデメリットもあります。

具体的に内容を見ていきましょう。

デメリット1. 初期費用がかかる

デジタルサイネージを導入するにあたって、初期費用は避けられません。具体的には次のような費用がかかります。

加えて、ディスプレイスタンドといった部品が別途必要な場合もあり、必要な費用はメーカーやサイネージのタイプによって様々です。

導入には安くはない費用が発生する場合もありますが、使い方しだいで高い費用対効果が得られる可能性も。クリニックの状況によってデジタルサイネージの効果的な運用方法は異なるので、効果を得たい場合は専門家に相談すると良いでしょう。

目利き医ノ助でもデジタルサイネージに関するご相談を承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

デメリット2. 配信コンテンツの作成は技術が必要

デジタルサイネージの導入はディスプレイ等の媒体だけでなく、配信するためのコンテンツを作成しなければなりません。コンテンツを作成する方法は大きく分けて次の2つです。

配信コンテンツの自作は不可能ではありません。ただし、多大な労力を伴うだけでなく、作成者の技量によって得られる効果が変わるおそれもあるので注意が必要です。

配信コンテンツの具体的な内容や、コンテンツ作成の詳細については、こちらのコラムで紹介しています。

関連記事:デジタルサイネージのクリニック活用事例!コンテンツの制作方法も解説

デジタルサイネージの導入検討は専門家に相談を

デジタルサイネージは、クリニックで効果的に活用すると次のメリットがあります。

一方でメリットだけでなく、「初期費用」や「コンテンツの制作を誰がやるかによって得られる効果が変化する」といった注意するべきポイントが存在するのも事実です。

デジタルサイネージの効果的な使用方法はクリニックによって異なるため、導入時は専門家に相談するとスムーズに進められるでしょう。

クリニックIT化のコーディネーターとして、目利き医ノ助は状況やご希望を伺いながら、クリニックに最適なデジタルサイネージ導入のお手伝いをさせていただきます。デジタルサイネージに興味がある方、ご検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。