2024.11.27
レセプト代行とは?クリニックが利用するメリットや利用時の流れを解説
「レセプト業務を代行してくれるサービスがあると聞いたけれど、利用するとどんなメリットがあるの?」
クリニックを運営している方のなかには、このような疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。本記事ではレセプト代行の詳細や利用するメリット、注意点などについて解説します。レセプト業務の効率化やレセプト人材でお悩みのクリニックは、ぜひ最後までご覧いただき、問題解決をはかりましょう。
レセプト代行とは?
レセプト代行とは、クリニックの医療事務が担っているレセプト関連業務を、専門の外部業者に委託するサービスです。代行の範囲はレセプト点検から修正、オンライン請求代行まで、委託業者によってさまざまなサービスが用意されています。
レセプトを作成するには高度な知識や経験が欠かせません。無資格・未経験の医療事務スタッフが多かったり、レセプト点検を担当していたスタッフの退職といった理由で困っていたりする場合は、レセプト代行を利用することで問題が解決する場合があります。
クリニックがレセプト代行を利用する3つのメリット
クリニックがレセプト代行を利用するメリットは、以下の3点です。
- より正確なレセプトを作成できる
- スタッフの負担が軽減できる
- 教育機関としての役割を依頼できる
具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
1.より正確なレセプトを作成できる
レセプト代行に点検を依頼すると、より正確なレセプトが作成できます。なぜなら、レセプト代行のスタッフはレセプトに関する専門的な知識や経験を有しており、正確性を担保できるためです。
正確なレセプトを作成できると、算定漏れや返戻・査定の減少が見込まれるため、結果的にクリニックの収益が向上する可能性があります。また、レセプト業務を委託すると、院内スタッフの採用条件に「レセプト経験の有無」を求める必要がないため、求職のハードルが低くなるのもメリットです。
院内スタッフのレセプト知識に不安があったり、返戻や査定の多さにお悩みだったりする場合は、レセプト代行を利用することで改善が期待できるでしょう。
2.院内スタッフの負担が軽減できる
レセプト業務を外部委託することで、院内スタッフの負担を軽減できます。レセプト業務は、医療事務の仕事のなかで最も大変な業務のひとつですが、それらを自院でまかなう必要がなくなるためです。
レセプトを作成したり点検したりするには、高い専門性や経験が求められます。レセプト業務がなくなると、身体的にも精神的にもスタッフの負担が軽くなるでしょう。加えて、院内スタッフは患者対応をはじめとした、レセプト以外の業務に専念できるため、医療の質を向上させられます。
院内スタッフの負担を軽減したい場合は、レセプト代行の活用を検討するのも一つの方法です。
3.教育機関としての役割を依頼できる
レセプト代行は、教育機関としての役割を依頼できる場合があります。レセプト代行業者によってサービス内容は異なるものの、過去のレセプトデータから算定漏れをはじめとしたミスのチェックをしてもらい、フィードバックを受けられる業者もあるためです。
長期間のレセプト代行は求めていなかったり、院内にレセプト経験の浅いスタッフしかおらず成長を促したかったりする場合は、利用することで効果を得られます。
「最終的には院内でレセプト業務をまかないたいものの、精度の高いレセプト作成を実現するために指導を受けたい」というクリニックは、教育機関として利用を検討してみると良いでしょう。
レセプト代行利用時の例
一般的なレセプト代行の利用の流れは、以下のとおりです。
- 当月分レセプトデータをレセプト代行業者に提出する
- レセプト代行業者がチェックする
- レセプト代行業者のフィードバックをもとにクリニックで修正
- クリニックでオンライン請求
ただし、レセプト代行業者によってサービス内容は大きく異なります。すべてのレセプト代行業者で上記のすべてを依頼できるとは限りません。一方で、レセコンへの会計入力やオンライン請求まで依頼できる業者もあります。
また、代行を依頼する方法もレセプトデータを業者に送るパターンや、レセプト代行業者がクリニックに訪問するパターンなど、形式はさまざまです。
クリニックでレセプト代行を利用する注意点
よって発生する金額は異なりますが、クリニックの負担になることは間違いありません。とはいえ、レセプト業務のために長時間の残業が発生しているようであれば、人件費より低い場合もあります。
また、レセプト代行の利用で、レセプト業務のすべてを完結できるとは限らないため、注意が必要です。医師の確認が必要なケースや、査定・返戻対応はサービス対象外の場合など、一部院内での作業も発生します。
加えて、クリニックの状況や診療科によってはレセプト代行ではなくレセプトチェックソフトの導入といった対策が有効なケースもあるでしょう。クリニックの状況や将来像を考慮したうえで、利用の検討が必要です。
レセプトチェックソフトについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
レセプト点検の実態を解説【効率化するならレセプトチェック機能の検討を!】
クリニックにとってレセプト点検はなぜ重要?効果的な点検方法も一挙公開!
レセプト代行でよくある質問
Q1.レセプト代行の利用が向いているクリニックはありますか?
レセプト代行の利用が向いているクリニックは、レセプト作成・点検の難易度が高く、専門的な知識を要するクリニックや診療科です。
たとえば、在宅診療を行っているクリニックなどは、レセプトの専門性が高い傾向があります。加えて、在宅診療のレセプト知識を持った人材は極めて少ないため、レセプト代行を利用すると正確なレセプト作成ができたり、スタッフを採用しやすくなったりする可能性があるでしょう。
Q2.レセプト代行業者の選定をする際に意識すべきポイントはありますか?
レセプト代行は、サービス提供している業者によって以下のような内容が異なります。
- 依頼可能な範囲
- 料金形態
- 対象施設
業者によっては医科レセプトのみ、在宅レセプトは対象外といった条件がある場合もあります。自院の特性やレセプト代行に求める効果などから、最適なレセプト代行業者を選定する必要があるでしょう。
レセプト業務に不安がある場合はレセプト代行の利用検討を
自院に十分なレセプト点検スキルや知識のあるスタッフがいない場合は、レセプト代行を利用することでより良いクリニック運営を実現できる可能性があります。また、長期的な観点では教育機関として利用することで、自院でレセプト業務が担えるように人材を育てたり、ノウハウを蓄積したりすることもクリニックの財産となるでしょう。
レセプト代行の利用を検討している場合や、レセプト代行業者の選定にお悩みの場合は、目利き医ノ助がご相談を承ります。「レセプト代行が自院に合っているのか、またはレセプト代行以外の方法が効果的なのか」といったお悩みを、目利き医ノ助コーディネーターがクリニックの状況を伺ったうえで検討のサポートをさせていただきます。
ご相談は無料ですので、レセプト業務にお悩みのクリニックは、お気軽にお問い合わせください。