小暮医院

院長 小暮 仁先生

小児科
泌尿器科
外科
内科

早期に電子カルテを導入し診療の高速化を実現。患者・スタッフ目線のシステム導入で環境を改善

外来患者数/日 平均130~150人

スタッフ数 10人

導入製品

  • 電子カルテ:PHC「Medicom」
  • Web予約システム:ドクターキューブ「ドクターキューブ」
  • PACS:富士フイルムメディカル「C@RNACORE」

課題

  • 来院する患者数が多いため、待ち時間が長くなっていた
  • 毎朝の順番待ちはノートに記帳してもらって管理、スタッフの負担も大きかった
  • 当初導入した予約システムは、誤った使い方による機器トラブルが頻発

効果

  • 操作しやすく、病歴から処方を入力しやすいMedicomを導入し診療スピードアップ
  • 診察券を使って番号が付与される予約システムを導入して、生産性が向上
  • 「かざす」タイプの機器に入れ替えることで、診察券挿入時に起きていたミスやトラブルを激減できた

歴史と趣のあるたたずまいですね。小暮先生のお父様が開院されたのですね。

小暮先生:父が夜間診療所をこの地で始めたのが1960年です。もう60年以上も、地域のみなさんに支えていただき、今も患者さんは、生後3か月から100歳までいらっしゃいます。

私自身は長年、都立病院で総合内科医としてなんでも診る医療を実践してきました。消化器、呼吸器…と専門分野も極めることも重要ですが、私のような「自称・雑貨屋」も町のクリニックには大切だと思うんです。患者さんとひざを合わせて話を聞き、優先順位をつけてあげるのが当院の役割だと思ってやってきました。

受付から見える棚には紙のカルテがぎっしりと詰まっていました。電子カルテ導入後しばらく経っていますがあれはなぜでしょうか。

小暮先生:何十年も前から、通っていらっしゃる患者さんのためですね。「昭和何年に受けた手術、患った病気」が紙のカルテには残っているので、紙をめくって見せてあげたほうがお年寄りは安心するんですよ。また初診で来てくださった患者さんも、あれだけのボリュームのカルテを見ると「ここはたくさんの患者さんが来ているんだ」と安心してくれるでしょう。

それでも電子カルテ導入自体は、早かったそうですね。

小暮先生:はい、導入が2006年頃だったと思います。まだ周りの病院やもクリニックはも、ほぼ紙カルテでしたね。当時から診療のスピード化は課題だったんです。患者さんをお待たせする時間を短くしたいと頭を悩ませていました。

「Medicom」は操作性がよく、見やすいというのが第一印象でしたね。それに、データベースの反応が早くて病歴から薬の処方を入力するときの反映スピードが早いんです。コンマ何秒の世界だと思われるかもしれないけれど、100人を超える患者さんで積み重ねたときの時間差は無視できません。

「待つ」ストレスというのは大きいですが、待たせてしまうことの申し訳なさから来るストレスも大きいんです。病院向けの大規模な電子カルテのほうが高機能ですが、当院にとってはMedicomのスピード感のほうが重要です。

またPACSは富士フイルムメディカルの製品を使っていますが、電子カルテを操作しながらそのままカーソルを使って動かせるので、患者さんに説明するときもスムーズなんですよ。これも時短に貢献してくれていますね。

何かトラブルが起きても24時間体制でバックアップしてくれる安心感もあります。何かシステム導入を相談したいときは、電子カルテでお世話になった中央ビジコムさんを今でも頼りにしています。

古きよきクリニックの雰囲気とIT導入に積極的な先生のお考えが対照的に感じます。

小暮先生:今どき、まだスリッパに履き替えるクリニックですからね(笑)
「懐かしい、居心地がいい、なんでも相談できる」といった雰囲気は大切にしたいです。

ただ現実問題として、この規模のクリニックで150人も来院したら、ひとりあたりの診察時間は3分足らずです。その中でも満足して帰っていただくには、ITを使ってでもスピードを上げないといけませんよね。

電子カルテから遅れること数年、予約システムを導入されましたね。

小暮先生:導入前は毎朝6時半に私が医院の玄関を開けて、当日の予約ノートにお名前を書いてもらっていたんです。患者さんは一度ご自宅に戻り、時間を見計らって再来院されるのですが、ひとりひとりの名前を読み上げてノートと照合しなければならないスタッフの負担は大変なものでした。

そこで予約システムを導入し、診察券を差し込むだけで番号が書かれた紙が印刷されるようになったんです。ところが当初は、印刷される紙の出口に診察券を入れ込んだり、キャッシュカードを差し込んでしまったりで、トラブルが絶えませんでしたね。ビジコムさんに改善策を相談して「診察券をかざすだけ」で読み取ってくれる機械へと入れ替えを決定しました。その後はマシントラブルも激減して、問題なく活躍しています。

受付された患者さんの名前が手元で瞬時に表示されて便利だと、受付スタッフさんもおっしゃっていました。

小暮先生:そうですね。どなたが来院されたか分かれば紙カルテを事前に準備するなど、診察に移るまでも早くなりますね。当院のスタッフは、本当に献身的に働いてくれるので、待遇面はもちろん、より働きやすい環境を整えてあげたいんです。

もっと早く着手したかったのですが、会計システムも、今後導入すべきものだと思っています。まず、当院のように高齢患者さんの多いところは慎重にならざるを得ません。カード決済は苦手な方もいるので、現金併用タイプしかないでしょう。支払い手段が多いと、導入直後はとくにスタッフの負担が増えるという話も聞くのでためらっていました。

本音を言うと「コロナがおさまってから」などと考えていたら何年も経過してしまったという感じです。でも、いつかは乗り越えるべき課題なので、スタッフと一緒によい策を考えていきます。

先生のお話からは、今よりもっと良くしたいという強い決意を感じます。なぜでしょうか。

小暮先生:誰からも愛されるクリニックであり続けたいと思っています。まず医療の中身で言えば、お子様でも高齢者でも、来るものは拒まず、どんな病気でもまず診る。決して断らない。

内科的な対応では、状態が悪い患者さんがいれば大きな病院に搬送するなどはもちろんです。さらに、なんでも一通り対応できなければなりません。切り傷や皮膚の切開、整形外科のように関節の水を抜く治療…ピアスの穴あけだってやります。「小暮先生のところに行けばなんとかしてくれるだろう」という悩みに応えるのが医療の原点ですね。

個人的には6年前に心臓を患って生死のふちをさまよった経験も影響しているかもしれません。今は患者さんの気持ちが分かるつもりです。生かされた命を使って、地域の健康を守りたいという想いは強くあります。

クリニック名 医療法人社団 孝仁会 小暮医院
院長 小暮 仁 先生
所在地 東京都江戸川区興宮町16−13
医院紹介 「小暮医院」が開設されたころ、周囲はすべて田んぼで白鷺が羽を休めていたと先代院長は振り返ります。今では住宅地として発展し、多くの住民が小暮医院を頼りにしています。現院長と病院の同僚だった医師が常勤に加わり、2診制でフル稼働を続けています。
作成日 2022年9月