LINE公式アカウントをクリニックで運用する効果は?活用事例や注意点を解説!

メッセージアプリとして日本で広く普及しているLINEは、人々にとって日常に欠かせない存在です。一般のユーザーとは別に企業等が運用する「LINE公式アカウント」がありますが、近年では企業のみならず医療機関の利用も増えてきました。とはいえ、LINE公式アカウント運用に興味はあるものの、活用方法や開設方法がわからずお悩みの医師やクリニックも多いのではないでしょうか。本記事ではクリニックにおけるLINE公式アカウントの活用事例や導入するメリット、注意点について詳しく解説します。LINE公式アカウントの運用を検討している方はぜひご覧ください。

LINE公式アカウントとは?

LINE公式アカウントとは、企業や店舗が「友だち追加」をしたユーザーとコミュニケーションがとれるサービスです。LINE公式アカウントから店舗のお知らせやクーポンなどを配信することで認知度を高めたり、集客・購買に繋げられたりとマーケティングにおいても活用できます。基本的には無料でアカウント開設できるため、運用リスクが低いのも魅力のひとつです。

また、NTTドコモモバイル社会研究所の調査によると、2023年現在では「15~79歳のスマートフォン・ケータイ所有者の83.7%がLINEを利用している」という結果が出ており、LINEは大多数の人が利用していることがわかります(※)。日本で最も普及しているSNSであるLINEを拠点にすることで、円滑な情報発信ができるのです。

※NTTドコモモバイル社会研究所ホームページhttps://www.moba-ken.jp/project/service/20230417.html

クリニックにおけるLINE公式アカウントの活用事例6選

多様な要素を持っているLINE公式アカウントですが、医療機関でも以下のような活用が可能です。

    予約取得

    問い合わせ対応

    メッセージの一斉送信

    クリニックコラムの配信

    クーポンや施術券等の配布

    その他拡張機能を利用した便利システム

どのような効果があるのか、それぞれ順番に見ていきましょう。

①予約取得

LINE公式アカウントを利用して予約取得が可能です。診療時間に限らず24時間受付ができ、電話の必要がないため患者さんにとって予約取得のハードルが低くなります。

LINE公式アカウントでの予約取得方法は以下の3パターンです。

予約取得方法に関しては、「LINEを利用した予約はどんな方法がある?予約システムと連携するメリットとはにて使用方法やメリット・デメリット等を解説しています。

②問い合わせ対応

LINE公式アカウントを利用して問い合わせ対応ができます。こちらも予約取得と同様に24時間受付可能なため、患者さんは時間を気にする必要がありません。

問い合わせの回答方法は以下の2点です。

チャット機能は、患者さんがクリニックのLINE公式アカウント宛に送信した問い合わせをスタッフが確認し、回答するというシンプルな方法です。電話と異なり手の空いたタイミングで対応できるメリットはありますが、個別に返信をする手間は省けません。

一方、応答メッセージはキーワードに対するメッセージを事前に設定し、自動返信する機能です。診療時間や休診日などのよくある質問は、一度設定すると自動的に回答できるのでスタッフの負担が軽減できます。

ただし、応答メッセージ機能は設定キーワードと完全一致しなければ自動返信できないため、会話のように内容を考慮したやり取りは難しいです。完全一致しないキーワードを受信した場合に備えて、上図のように質問のポイントや電話問い合わせの促しを一律応答メッセージに記すなど、対策をすると良いでしょう。

③メッセージの一斉送信

LINE公式アカウントは友だち追加されているユーザーに向けて、メッセージの一斉送信が可能です。以下のようなケースで有効的に活用できます。

医師の学会出席などによる突発的な休診はしばしばあることです。ホームページに「休診のお知らせ」を掲載する方法もありますが、患者さんがホームページにアクセスしなければ休診の情報を得られません。それに対し、LINE公式アカウントは友だち追加された全員へ一斉にメッセージを送信可能なため、取りこぼしが少なくすみます。

また、インフルエンザに代表される季節性ワクチンの開始日や、自由診療を行っているクリニックではキャンペーンのお知らせなどを配信できます。お知らせの配信によって問い合わせが減少し業務効率化に繋がるだけでなく、定期診察のない患者さんが予防接種に訪れるなどの集患効果も得られるでしょう。

④クリニックコラムの配信

LINE公式アカウントを利用して、患者さんにコラムを届けられます。コラムを配信することで権威性をアピールでき、患者さんからの信頼感が高まるため、集患効果に繋がることも。

コラムの配信方法はメルマガ等もありますが、LINEはメッセージを受信するとプッシュ通知が届くため、開封率が高い傾向があります。クリニックの情報を配信する媒体としてはうってつけといえるでしょう。

ただし、配信頻度には注意をしなければなりません。あまりに高頻度でメッセージを送信すると、ブロックされてしまう可能性があるからです。ブロックされてしまっては、休診情報など必要な情報も届かなくなってしまいます。クリニックコラムは最適な頻度を心がけて配信しましょう。

⑤クーポンや施術券等の配布

LINE公式アカウントを利用すると、クーポンや施術券の配布が可能です。美容外科や歯列矯正などの自由診療を行っているクリニックでは、キャンペーンを実施することもあるでしょう。LINE公式アカウントでは「クーポン機能」を利用して簡単に作成ができます。

クーポンというと従来は折り込みチラシやポスティング等が一般的でした。しかし、LINE公式アカウントを利用すると印刷費や人件費を削減してキャンペーン告知が可能です。

ただし、送信するメッセージ数と人数によっては料金がかかる場合もあるのでご注意ください。

⑥その他の拡張機能を利用したクリニック向け便利システム

LINE公式アカウントでは、拡張機能を利用することでクリニック運用に便利なシステムが得られます。具体的な拡張機能の例は以下のとおりです。

順番待ち・呼出機能は混雑や待ち時間解消に役立ちます。待ち時間は医療機関の悩みの種ですがLINEで順番をとれたり、自身の順番が近づいたらLINEで呼び出したりできるため、患者さんは院外で待機することも可能です。

また、デジタル化が進む昨今では紙媒体の診察券は煩わしいと思われることも。スマートフォン上で表示するデジタル診察券は自宅に忘れる心配や持ち運ぶ必要がないため、患者さんの満足度向上に繋がるでしょう。

他にも、予約のリマインド機能を活用して当日キャンセルを防ぐなどLINE公式アカウントの拡張機能にはクリニック運営に役立つシステムが多数あります。

ただし、拡張機能はLINE公式アカウントとは別に利用料がかかる場合があるので、予算と必要機能をよく考慮して導入しましょう。

クリニックでLINE公式アカウントを運営するメリット

前章では医療機関における効果的なLINE公式の活用事例を紹介しました。ここからは、実際に導入すると得られるメリットについて、クリニック目線と患者目線に分けて解説します。

LINE公式アカウントを導入するクリニックのメリット

LINE公式を導入するクリニックのメリットは以下のとおりです。

LINE公式アカウントが自動受付するため、予約や問い合わせに関する電話の減少が見込めます。電話と異なり手があいた時間に対応できるため、スタッフの負担軽減となるでしょう。

また、LINE公式を利用することで業務が効率化し、結果的に人件費の削減も期待できます。加えて、定期健診のお知らせ等を電話や郵送で行っていたクリニックでは、LINE公式のメッセージで代用可能なため物理的なコストカットも可能です。

LINE公式アカウントは活用方法次第でクリニックに多大なメリットをもたらします。

LINE公式を導入する患者さんのメリット

LINE公式アカウントを導入する患者さんのメリットは以下のとおりです。

LINE公式アカウントを利用した予約取得では、患者さんは時間を気にする必要がありません。診療時間は仕事や学校などの時間と重なり、電話予約は難しい方も多いため恩恵は大きいでしょう。

また、予約取得やデジタル診察券が利用できるクリニック用アプリは多数ありますが、LINE公式であれば友だち追加するだけで、別途アプリのダウンロードやログインが不要です。前述したようにLINEは日本で最も普及しているSNSのため、ダウンロード済の患者さんも多いでしょう。患者さんの手間が減らせることもLINE公式アカウントのメリットです。

LINE公式アカウントを導入する3つの注意点

LINE公式アカウントをクリニックで導入する注意点は以下のとおりです。

それぞれ順番に見ていきましょう。

注意点1.友だち登録者数が少ないと効果を得られない場合がある

LINE公式アカウントを開設しても、登録者数によっては期待する効果が得られない可能性があります。

予約取得や休診情報の配信など、クリニックの利便性アップを目的としてLINE公式アカウントを開設する場合は、既存患者のみの登録でも問題ないでしょう。しかし、集患効果などマーケティング面で効果を得たい場合は、多くの友だちが必要です。

LINE公式アカウントから情報を届けられるのは友だち追加をしたユーザーに限られます。運用目的によっては登録者数を増やす工夫を施さなければなりません。

注意点2.配信数によっては料金がかかる

LINE公式アカウントは月に送信するメッセージ数によって料金形態が異なります。料金の詳細は下図のとおりです。

LINE公式アカウントは基本的に無料で利用できますが、友だちの人数やメッセージの回数によっては料金がかかります。クリニックコラムなどの定期的な配信を予定している場合は、メッセージ回数が多くなると予想されるので、有料プランの検討が必要でしょう。

注意点3.開設作業を誰がやるのか考慮する必要がある

LINE公式アカウントを開設するにあたって、作業者を選任しなければなりません。クリニックにおいてLINE公式アカウントを開設する場合、以下の2パターンがあります。

LINE公式アカウントの開設には知識と技術が必要です。自院のスタッフに知識や開設経験があれば任せるのも良いでしょう。

しかし、LINE公式アカウントは開設をしたら終わりではありません。諸機能を使いこなし、運用をしていかなければなりません。運用方法によって得られる効果も異なります。LINE公式アカウントを効果的に運用したい場合は、専門家への相談がおすすめです。

なお、目利き医ノ助ではLINE公式アカウントの開設や業者紹介のご相談も承っておりますので、ご入用の際はお気軽にお問合せください。

クリニックにおけるLINE公式運用は多数のメリットあり!検討時は専門家に相談を

本記事では以下の内容について解説してきました。

LINE公式アカウントはクリニックにとって大変便利なシステムです。使いこなせば集患効果や業務効率化などが見込め、そのメリットは計り知れません。

しかし、運営には注意が必要です。特に開設・運用作業を誰がやっていくかによって得られる効果が変わります。LINE公式アカウント運用に興味がある方や、導入を検討しているものの開設者がいないクリニックなどは専門家に相談するのもひとつの方法です。

目利き医ノ助はクリニック向けITシステムの導入と運営のプロ集団です。クリニックの状況やご希望に応じて最適なサポートをさせていただきます。LINE公式アカウント運用についてお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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