LINEを利用した予約はどんな方法がある?予約システムと連携するメリットとは

近年、LINEを運用するクリニックが増えていますが、特に予約取得において活用する事例が見られます。「LINEを使って予約ができると便利」と聞くものの、その理由や「ホームページ上のWeb予約システムとどう違うのか」と疑問に感じている医師も多いのではないでしょうか。本記事では、クリニックでLINEの利用が増加している要因やLINEを連携した予約取得方法、予約システムとLINEを連携するメリットなどについて詳しく解説します。LINEを利用した予約の構築に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

クリニックでLINEの利用が増加している理由

LINE公式アカウントの利用がクリニックで増加している要因として以下のような理由が考えられます。

LINEは国内で最大の利用率をほこるSNSであり、年齢を問わず若者から高齢者まで幅広く普及しています(※1)。2023年6月末時点におけるLINEの国内ユーザー数は9,500万人を超え日本人口の70%以上が利用しており(※2)、いまやLINEは生活のインフラと言っても過言ではありません。

加えて新型コロナウイルスをきっかけに「クリニックも予約をして行くもの」という認識が一般的になり、選定の際に「予約の手軽さ」が重要視されるようになりました。しかし、時代とともに年齢や性別を問わず働く人が増え、診療時間内に電話で予約取得が困難な人も多くいます。

その点LINEは24時間いつでも利用可能であり、人々が使い慣れていることから、予約や情報を発信する媒体として運用するクリニックが増えているのです。

※1 総務省情報通信政策研究所|https://www.soumu.go.jp/main_content/000887659.pdf

※2 【公式】LINE公式アカウント-LINEヤフーfor Business|https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/

予約システムとLINEを連携した予約取得方法

予約システムはメーカーによってLINE連携が可能であり、LINE連携をした予約取得方法は以下の3種類があります。

①リッチメニューから予約画面のブラウザを起動させる方法
②自動返信機能で既存のWeb予約システムページへ誘導する方法
LINEトーク形式で予約取得する方法
④Web上で予約取得後、予約システムメーカーのアカウントから通知のみをLINEで受け取る方法 

どのように予約ができるのか、それぞれ順番に見ていきましょう。

①リッチメニューから予約画面のブラウザを起動させる方法

LINE公式アカウント画面の下部にあるリッチメニューにリンクを組み込み、予約取得ページへ誘導する方法です。

リッチメニューは画像つきで大きく表示されるため、わかりやすくなっています。また、クリニックのホームページを検索する手間が省略できるため、手軽に予約が可能です。

②自動返信機能で既存のWeb予約システムページへ誘導する方法

既存のWeb予約システムページへ自動返信機能を利用して誘導する方法です。患者さんが「予約」といったあらかじめ設定された対応キーワードを入力すると、予約フォームやURLを自動的に返信します。

自動返信機能を用いるため、スタッフが個別に確認・返信する必要はありません。また、リッチメニューと異なりメニュー画像のデザイン作成は不要です。患者さんもクリニックのホームページを検索し、アクセスする手間が減ります。

しかし、リッチメニューに予約リンクがあるパターンと比較するとワンステップ多く、画面上に常設されているわけではないため分かりづらいのが難点です。

③LINEトーク形式で予約取得する方法

リッチメニューと対照的なのがLINEのトーク形式による予約取得です。下図のように会話をするように予約が進められます。

リッチメニューでの予約と異なり、LINE上で予約が完結するのが特徴です。また、自動返信のため、スタッフの業務も軽減できます。

④Web上で予約取得後、予約システムメーカーのアカウントから通知のみをLINEで受け取る方法

Web上にあるクリニックの予約ページから予約を取得し、メーカーのLINEアカウントから予約日時等を通知する方法です。

この方法はクリニックのLINE公式アカウントを開設する手間がありません。しかし、LINE上で予約はできず、予約日時の通知にのみLINEを使用するため「予約の手軽さ」という点では前述の2つに劣ります。また、自院情報の発信等は難しいため、LINE公式アカウントの予約取得以外の利点は得られないでしょう。

LINE公式アカウントの予約機能以外の活用事例は下記の記事にて解説しているので、こちらをご覧ください。

LINE公式アカウントをクリニックで運用する効果は?活用事例や注意点を解説!|https://www.mekiki-inosuke.com/topics/article/20231025/

予約システムをLINE連携するとできること

メーカーによって内容の差異はあるものの、予約システムとLINEを連携させると、予約取得以外にも便利な機能が利用できます。具体的な例は以下のとおりです。

前日などにLINEでリマインドをすると患者さんのうっかり忘れや当日キャンセルを減少させる効果があります。また、LINE上で呼出通知を送れるので、患者さんは自分の順番が近づくまで院外で待てるようになり、待ち時間の解消だけでなく院内混雑化の緩和にも繋がります。これらの機能によって患者満足度の向上が期待できるでしょう。

さらにLINEでWeb問診の利用を促せば、患者さんは来院後のステップが少なくなり、クリニック側もどのような症状で来院するのか事前に把握できます。

予約システムとLINEを連携すると単純な予約取得だけでなく、様々な利点があるのです。

予約システムとLINEを連携せずにLINEを利用して予約取得する方法

前章にて予約システムとLINEを連携した予約方法を解説しました。一方で、連携せずにLINEで予約取得をする以下のような方法も存在します。

①チャット機能を利用した人手による方法
②拡張ツールを使用して予約機能を導入する方法

どのように予約を取得するのか見ていきましょう。

①チャット機能を利用した人手による方法

最もシンプルな方法は、チャット機能を利用した人手による予約取得です。通常のLINEのようにスタッフと患者さんが会話をして予約を取得します。

メッセージは24時間受け付けられますが、患者さんはクリニックから返信が届くまで確実に予約できるかはわかりません。

また、クリニック側も電話とは異なりスタッフの手が空いたタイミングで作業ができるものの、個別に確認・返信しなければならないため効率化は難しいでしょう。

②拡張ツールを使用して予約機能を導入する方法

予約機能の選択肢として、医療機関向けの予約システムではなくLINE公式アカウントの拡張機能を導入するという方法もあります。LINE公式アカウントでは基本機能に備わっていない技術も、拡張ツールを導入して機能追加が可能です。予約機能もLINE公式アカウントの基本機能にはありませんが、拡張ツールとして導入できます。

拡張ツールの予約機能の特徴は、リッチメニューのようにWebの予約ページに移行することなく、LINE上で予約が完結することです。予約画面はメーカーによって異なりますが、ブラウザを起動せずカレンダー等の予約画面が表示されるため煩わしさがありません

ただし、拡張ツールの予約機能は必ずしも医療機関用に特化しているわけではなく、電子カルテ連携などはできない可能性があります。

また、LINE公式アカウントは基本的に無料で利用できるものの(※配信メッセージ数によっては有料)、拡張ツールの導入は別途料金が発生するのでご注意ください。

 

予約システムとLINEを連携するメリット

予約システムとLINE公式アカウントを連携すると以下のようなメリットがあります。

予約システムとLINEを連携しない予約方法は、いずれも利点だけでなく難点が存在します。別途ツールを導入せずにリマインドや通知機能などを利用できる点においても、予約システムとLINEを連携したほうが便利です。

加えて、前段で紹介した拡張ツールと異なり予約システムはクリニックの運用に合わせた使い方が可能なため、 導入後に「クリニックでは使いづらかった」と後悔するリスクは低いでしょう。

また、LINEは日本人口の7割以上が利用しているので、新たなアプリのダウンロードやログインが不要な患者さんが多いです。ホームページを検索する手間も省け、24時間予約可能なため、LINEを利用した予約方法は新規の集患だけでなく再診率の向上も期待できます。

予約システムとLINEを連携した予約方法は、クリニックと患者さんの双方にメリットがあるのです。

予約システムをLINE連携させる際の注意点

予約システムとLINEの連携はクリニックにとって大きなメリットがあることがわかりましたが、以下のような注意点も存在します。

予約システムとLINEを連携するためには、基本的にクリニックのLINE公式アカウントを開設しなければなりません。一部の方法ではアカウント開設が不要なケースもありますが、LINE公式アカウントは予約に限らず、休診時の一斉連絡などクリニック運営に役立てられます。予約システムのLINE連携をするのであれば自院のアカウント開設がおすすめです。

とはいえ、アカウント開設には知識と技術が必要です。アカウント開設やリッチメニューの作成といった開設サポートの範囲はメーカーによって異なります。「いざ依頼したものの開設サポートがメーカーの作業範囲に含まれておらず、自院スタッフで行わなければならなくなった」という事態を避けるためにも、事前に条件を明確にすることが重要です。

なお、開設作業を別会社に外部委託する場合は別途費用が発生する可能性があるので、ご注意ください。

予約システムのLINE連携はメリット多数!興味があればご相談を

本記事では以下の内容について解説しました。

予約システムをLINE連携させると予約取得がより手軽になるだけでなく、集患効果等のクリニックも大きなメリットが得られます。連携せずにLINEを利用して予約を取得する方法もありますが、利点だけでなく難点も存在するため、注意してご検討ください。

また、予約システムをLINE連携するためには、基本的にクリニックのLINE公式アカウントを開設しなければなりません。LINE連携作業の範囲はメーカーによって異なるため、自院スタッフでの開設や外部委託を要することもあります。開設作業や運用方法によって得られる効果が異なるので、知識に自信がない場合は専門家へ相談すると良いでしょう。

 目利き医ノ助はクリニックの状況やご希望に応じた最適なサポートをさせていただきます。なお、既に予約システムを導入済のクリニックであっても、システムがLINE連携に対応していれば、あとからの連携も可能です。予約システムのLINE連携に興味があるクリニックはぜひお気軽にご相談ください。

▼相談のご予約はこちらから