川崎七福診療所(後編)

院長 大黒 学 先生/事務長 中川 英治 様

内科

移転とともに新型PACSを導入し、より質の高い医療を効率よく提供できる体制へ進化(後編)

外来患者数/日 平均70人(ほか在宅診療の患者数/日:平均30人)

スタッフ数 40人(非常勤医師・在宅診療専門スタッフを含む)

導入製品

  • PACS:PIXTERA「SoliPACS Lite」
  • 電子カルテ:NTTエレクトロニクステクノ「モバカルネット」
  • Web予約システム:メディ・ウェブ「3Bees」
  • POSレジ:スマレジ「スマレジ for medical」

課題

  • これまでのPACSは各種医療機器と連携しておらず不便
  • 在宅診療の現場には院内から画像を持ち出せなかった
  • 1つの診察室でしか閲覧できず非効率だった

効果

  • 大画面、高画質な説明による医療の質の向上
  • スピーディな画像の読み出しで患者さんの待ち時間を短縮化
  • 訪問診療の画面でも、検査画像にアクセスできるように

PACSでは自社のサーバーにこだわられましたが、電子カルテがクラウド型なのはなぜですか。

大黒先生:それは在宅診療に対応するためという理由が最も大きいですね。モバカルネットは在宅医療に強い電子カルテで、スマホからでも簡単に情報にアクセスできるのが特徴です。

当院には在宅診療だけを行う医師もいて、外来と在宅診療では体制が分かれていると言ってもいいでしょう。非常勤の医師がPCを起動させるなどの手間もなく、手元のスマホだけで情報にアクセスできるのは生産性向上に大いに役立っています。

予約システムも移転前から引き続き同じものを使っていますね。

中川事務長:診察の順番が近づくと患者さんのスマホに通知が行く順番待ち機能が備わっていますが、現在のほうがより活かせているかもしれません。というのも、以前はビル診の上層階だったので、結局、患者さんは院内で待ち時間を過ごすしかありませんでした。

今は商業施設の中で、クリニックの外に店舗が多数あるため、退屈することも少ないでしょう。それに、クリニック内が混雑するのを避けられます。

システムの設定で、どの時間にいくつの予約枠を入れるかも変更できます。朝一番の混雑が目立っているため、できるだけ混雑を平準化するのは今後の課題ですね。

自動釣銭機や電子マネー対応も新たに導入されました。

中川事務長:電子マネーについては、普通の店舗なら対応していないほうが珍しくなってきたほどだと感じています。とくに商業施設の中で、年齢の若い患者さんが増えているので、当然必要だろうと考えていました。

実際に入れてみると「Suicaは使えるんですか?」などと、聞かれる機会も驚くほど少ないです。それぐらい生活の中に浸透してきているわけですよね。ネックとして「電子マネーは手数料が割高」でなかなか導入に踏み切れませんでしたが、やはり不便な状態というのは避けたかったんです。

お話から随所に患者さんファースト、利便性へのこだわりを感じますね。

大黒院長:ITで便利さを追求するのも重要ですが、クリニックの造りも意識したつもりです。以前のクリニックは物理的な広さの面から、かなり患者さんにも不自由をさせてしまっていたと思います。だからこそ、ある程度の広さが実現できた今だからこそ、快適な空間を実現したいという想いは強いですね。

たとえば当院は内視鏡の検査も多いので、内視鏡室の横にリカバリー室を確保して、患者さんが休憩できるようにもしました。これまでよりも診察室を増やして3診制にしたのも、待ち時間を減らし、できるだけ多くの患者さんの診察にあたりたいという想いからです。

今はまだ、私ともうひとりの医師の2名体制で足りていますが、やがては3診フル活用したいと考えています。その場合、非常勤のドクターが増えることも予想されます。こうした場合に、使いやすい設備やシステムが整っていることはとても重要だと思うんです。初めて来たドクターでも使いやすければ、それは患者さんの満足にもつながりますからね。

スタッフの働きやすさにも、こだわっていらっしゃいますね。

大黒院長:もちろんです。幸いなことに当院のスタッフは勤続が長く、患者さんを第一に考えられるスタッフがそろっています。外来も在宅医療にも本気で注力できるのは、スタッフが力を発揮できているのが大きいと思います。

クリニックの中だけでなく、別に借りている事務所には在宅医療のスタッフも勤務しています。組織の規模はそれなりに大きくなってきましたので、スタッフの意思疎通も大切ですね。

スタッフ同士が離れていると、管理や意思疎通が大変そうですね。何か工夫されていることはありますか。

中川事務長:実は防犯のために取り付けたカメラが思わぬ効果を発揮したんです。クリニックと、別の場所にある事務所の中の様子が互いに分かるような仕組みを導入しました。ひとり暮らしの高齢者の自宅に取り付ける「見守りシステム」と同じ発想です。

移転前はクリニックと事務所が近かったので、何か相談事項があってもすぐやりとりできたのですが今は物理的に遠くなってしまいました。

ところがこのカメラのおかげで、普段は見えなかったお互いの忙しさが可視化できるようになりました。内線電話を鳴らして誰も出ないと「なんで出ないのか」と思ってしまいがちですが、カメラを見れば、別の電話対応をしている様子などが見られるわけです。期待していた以上に、それぞれの生産性が上がりましたね。

「やらざるを得なかった移転」をピンチから変革のチャンスに変えられたのですね。

大黒院長:「どうせ移転するなら」前よりよくしようという発想ですね。課題をよく見つめて「どれを優先して解決するか」「どうやったら解決できるか」を突き詰めた結果だと思います。事務長とともに、移転の前からずっと考えていた課題を解消できた部分もあるので、さらに地域医療に貢献していきたいですね。

クリニック名 医療法人社団招福会川崎七福診療所
院長 大黒 学 先生
所在地 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目3−1 ホームセンターコーナン川崎小田栄店2階
医院紹介 JR小田栄駅からほど近い大型ホームセンターの2階に、できたばかりの川崎七福診療所があります。七福は、大黒院長の氏名が七福神のひとりである「大黒様」と一致していることに由来します。ロゴには7つの星があしらわれていて、5つ星ホテル以上のサービス提供を目指すという決意が込められたものです。
作成日 2022年11月